【おすすめのYouTubeチャンネル】 東映特撮YouTube

今回も短めの記事を。ちょっとここのところ立て込んでいるのでしばらくはコンテンツ紹介botになる可能性が。

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YouTubeチャンネルをおすすめするならいわゆるユーチューバーがやってるチャンネルを紹介するのが相場なんじゃないか,そういう声もあるかもしれない。しかし,ちゃんとYouTubeしてるYouTubeチャンネルは僕なんかがおすすめしなくてもGoogleの優秀なAIが「あなたへのおすすめ」をしてくれるので不要なのだ。こういうときは他人に勧められないと見ないやつを勧めるってのが定石ってもんだ。パパへのプレゼント理論だ。

東映の特撮ということで戦隊シリーズ仮面ライダーの過去作の一部を公開しているチャンネルだ(ウルトラマン円谷プロダクションなのでこれにはない)。よって今からする話はいわゆる「ニチアサ」を見ていた人にしか伝わらないかもしれない。

とはいえ,かつてニチアサを見ていたとしてもさすがに幼稚園児や小学生を対象にしたドラマを見るのはちょっとと思われるかもしれない。しかし,それでもこのチャンネルを勧めたい理由が二つある。

一つは,一般論として子供の頃に見ていたものを見返すことで意外な発見があるということだ。三つ子の魂百までという言葉がある。逆に言うと,三歳ごろの経験というのは無意識に自分の価値観になってる可能性がある。そこで戦隊シリーズの構成を思い出してほしい。戦隊は基本的に一年単位で放映されるので一シリーズだいたい50話くらいだ。話の根幹にかかわる話を省いたとしても,40話くらいはおおむね一話完結でその日登場した怪人を倒すというおきまりの流れが繰り返されている。そして,その展開のほとんどはいわゆる「お約束」に乗っかっている。つまり,我々が日常的にドラマや映画を見たりしたときにベタな展開だなと感じた時は,子供のころ無限に見せられていた戦隊もののお約束が染みついてしまっているのが原因であることが少なくないと思う(本当は戦隊側がドラマや映画の名作の展開をパクってるのだが)。そういうわけで自分のなかに染み付いたお約束を洗い出すきっかけとして特撮を見るというのはとてもいい機会になると思う。

もう一つは,少なくとも僕が見ていた2000年代初頭の特撮は親世代もターゲットにしていたということだ。特に仮面ライダーは初代仮面ライダーの放映が1971年なので,当時見ていた少年も,例えば仮面ライダーアギトが放映された2001年には30~40代でちょうど当時の自分くらいの子供がいる年齢になっている。そのことを意識して,キャラデザインは子供がワクワクするようなものを,ストーリーはお父さんも唸るくらいリアリティの高いものを,そしてキャストはお母さんも唸るくらいクオリティの高いもの(要潤)を狙って作られている(だからこそ大人にも仮面ライダーファンがいたりする)。例えば,仮面ライダーアギトの第一話は,突然怪人の前に現れた仮面ライダーに対して警察は敵か味方か判別がつかないという展開になっている。ここでは仮面ライダーが絶対的なヒーローというお約束が排除されている。よって,子供にはちょっと小難しくてわかりにくいが大人としては,ちょっと見てみようかなというフックになっている。そう考えると当時見ていたあれはそういえばなんだったんだろうかと思い当たる節もあるのではないだろうか。記憶の補完という意味でもおすすめだ。

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とここまではちゃんと紹介しておいた。ただし,ニチアサの特撮は当たり前だがドラマとしてはクオリティは低めだ。若手の登竜門として扱われていることからもわかる通り,特撮はオーディションを通過したほとんど若手俳優が演じている。なんならサブキャラもオーディション落ちの若手が演じていることも多い。よって,演技に期待してはいけない。また予算も当然ゴールデンタイムのドラマと比べればかなり低い。よって,特に古いものになればなるほど大人の都合演出が目立つ。とはいえ,それは魅力でもある。上にあげた仮面ライダーアギトではまだ大根役者だったころの要潤を見ることができるし,観ててツッコミどころばかりのドラマというのもそれはそれで面白い。

そういうわけでオススメです。今ならゴレンジャーが1話から見れるぞ。